「商品にJANコードが付いているから、そのままFBAへ送っていいよね」
この判断は、2026年のAmazonでは危険です。
JANコードとAmazonの商品ラベル。見た目は同じバーコードですが、実は役割が全く違います。さらに、2026年3月31日以降、メーカーのバーコード(JANなど)を使える条件が変わり、ブランド代表者と再販セラーで扱いが分かれました。
この記事では、ラベル用紙のサイズを気にする前に知っておきたい「バーコードの役割」や「新しいルール」、そして失敗しないラベルの選び方を整理します。ここを間違えると、どんなに高価なプリンターを買っても「間違ったラベルをきれいに印刷するだけ」になってしまいます。
JANコードは「商品の身元」を証明するもの
JANコードは、日本で広く使われている商品識別コードです。
GS1 Japanによると、GTIN(JANコード)は「どの事業者の、どの商品か」を表す番号とされています。
たとえば、同じシリーズのブラウスでも、色やサイズが違えば別のJANコードが必要です。白と黒の商品に同じJANコードを貼って「見れば分かるから大丈夫」とはいきません。システム上は同じ商品として管理されてしまうからです。
つまり、JANコードが答えるのは「これは何の商品か」です。
Amazonの商品ラベル(FNSKU)は「FBAの追跡札」
Amazonの商品ラベルには、「FNSKU」と呼ばれるバーコードが印刷されます。
これは、Amazonの巨大な倉庫(フルフィルメントセンター)の中で、あなたの商品を正しく識別・追跡するためのものです。
こちらが答えるのは「AmazonのFBAで、どの在庫として扱うか」です。
JANコードが「戸籍」なら、FNSKUは「荷札」。同じ商品に見えても、役割は全く違います。
商品ラベル以外にも、FBA納品や自己発送では、プリンター、スケール、段ボール、梱包テープなどが必要になります。
これからAmazonでの出荷環境を整える方は、「Amazonセラーが最初にそろえたい梱包道具15選」もあわせてご覧ください。
2026年のルール変更で、誰がJANを使えるかが変わった
2026年3月31日以降に出荷するFBA在庫について、Amazonは「在庫の混合」を終了し、ルールの変更を行いました。
- ブランド代表者(ブランド所有者):
対象商品にJANなどのメーカーバーコードがあれば、Amazonの商品ラベルを貼らずに納品できる場合があります。 - 再販セラー(相乗り出品など):
商品にメーカーバーコードが付いていても、Amazonの商品ラベルが必須になりました。
もちろん、メーカーバーコードがない商品は、誰が販売するにしてもAmazonの商品ラベルが必要です。
「JANがあるからそのまま納品できる」という過去の常識は通用しません。自分のブランド登録状況や商品の利用資格を確認し、セラーセントラルの最新の納品画面の指示に従うのが一番安全です。
商品ラベルを選ぶときの5つの基準
1. セラーセントラルの「面付け」と一致させる
A4ラベルシートには24面、40面などいろいろな種類があります。大切なのは、1枚のシールのサイズだけでなく、余白やすき間まで含めた「面付け(レイアウト)」を合わせること。ここが違うと、下の段にいくほど印刷がずれてしまいます。
2. 白地で、印字がにじみにくいものを選ぶ
バーコードは「白と黒のコントラスト」で読み取ります。光沢が強すぎる紙や、インクがにじむ紙はNGです。使用するプリンターに対応した、バーと余白がくっきり出る白色ラベルを選びましょう。
3. プリンターの印刷方式に合わせる
ラベルには、インクジェット用、レーザー用、感熱(サーマル)用があります。レーザープリンターに非対応のラベルを入れると、熱で溶けて故障の原因になります。必ずプリンターの方式に合った用紙を買ってください。
4. 貼ったあとに剥がれにくい粘着力
ラベルは、机の上から離れ、低温の倉庫や輸送中の摩擦に耐えなければなりません。OPP袋などツルツルした面に貼る場合は、端から浮かない強めの粘着力が求められます。「商品を傷めたくない」と弱粘着を選ぶと、輸送中に剥がれて行方不明になるリスクがあります。
5. バーコードの周囲に「余白」を残す
バーコードの左右には、読み取りに必要な空白(クワイエットゾーン)が必要です。ラベルの端ギリギリまで拡大したり、文字を詰め込んだりすると、機械が読み取れなくなります。
JANシールを自作するときの注意点
自分でGS1事業者コードを取得してJANシールを作る場合、適当なサイズで印刷していいわけではありません。
JIS規格に定められたサイズと品質を満たさないと、物流の過程で読み取れないトラブルが起きます。
また「スマホのカメラで読めたからOK」と安心するのも危険です。スマホアプリは印刷品質の検査ツールではないため、業務用のスキャナーで読めるとは限りません。大量生産する場合は、専門の印刷業者に依頼することも検討しましょう。
FBAラベルとJANコード、どっちを優先する?
Amazonの商品ラベル(FNSKU)を貼って納品する場合、Amazonの倉庫スタッフが間違えて元のJANコードを読み取らないようにする必要があります。
商品のパッケージにJANが印字されているなら、その上からAmazonの商品ラベルを貼って隠すのが基本です。
ただし、先述の通り、2026年以降は「メーカーバーコードで納品できる商品」もあります。一律に隠せばいいわけではなく、「今回の納品はどのバーコードで管理する設定になっているか」をセラーセントラルで確認することが最優先です。
FBA納品では、商品ラベルだけでなく、OPP袋、エアキャップ、輸送箱、Amazon配送ラベルなども必要になります。
商品をフルフィルメントセンターへ送る前に確認しておきたい資材は、「FBA納品に必要な梱包資材一覧」にまとめています。
A4ラベルとサーマルラベル、どちらを選ぶか
出荷数が少ないうちは、初期費用が安い「A4プリンター+ラベルシート」で十分です。
1日に何十枚も印刷するようになり、「ラベルを印刷して、シートから剥がす時間」がもったいないと感じ始めたら、サーマルラベルプリンター(感熱式)の出番です。必要な枚数だけ連続で出せて、インク交換も不要になります。
まずはA4で業務の流れを作り、件数が増えてからサーマルに移行するのがおすすめです。
ラベル事故は「印刷」より「貼り間違い」で起きる
ラベルがきれいに印刷できても、貼る商品を間違えればクレームに直結します。特に、服の色違いやサイズ違いは、人間の目では簡単に間違えます。
事故を防ぐには、以下の手順をルール化するのが効果的です。
- セラーセントラルで対象のSKUを確認する
- 必要な枚数だけラベルを印刷する
- 商品のJAN、色、サイズを確認しながら貼る
- 1つのSKUをすべて貼り終えてから、次の商品に移る
- 余ったラベルを作業台に放置しない
出荷数が増えたら、バーコードスキャナーを導入して「商品コードとラベルのデータが一致しないと次へ進めない」仕組みを作りましょう。
印刷がずれるときの解決法
「A4ラベルの下のほうだけ印刷がずれる」という場合、用紙を疑う前に印刷設定を見直してください。
PDFを印刷するとき、「用紙に合わせる」などの設定になっていると、勝手に縮小されてしまいます。必ず「原寸大(100%)」や「実際のサイズ」で出力してください。
本番のラベルに印刷する前に、普通紙に白黒で試し刷りし、ラベルシートに重ねて光に透かして確認すると無駄がありません。
最後に:用紙選びより「バーコードの種別」が先
JANシールとAmazonの商品ラベル。
どちらが偉いという話ではなく、役割が違います。
迷ったときは、以下の順番で確認してください。
- 自分はブランド代表者か、再販セラーか
- その商品はメーカーバーコード(JANなど)で納品できる設定か
- 必要なラベル形式は何面か
- 最後に、そのレイアウトに合ったラベル用紙を選ぶ
ラベル選びで一番怖いのは、印刷のずれではありません。「違う商品を、違う在庫として納品してしまうこと」です。
まずは正しいラベルルールを理解して、スムーズな出荷体制を整えましょう。
※Amazonの要件は変更されることがあります。納品前に必ずセラーセントラル内の最新情報を確認してください。

